ネコ獣

「何もしない業務」が日々忙しい、、

子猫を保護した思い出

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もうずいぶん前の2014年の話です。
今でも忘れられない近所で子猫を保護した話になります。
この頃はミーちゃんしか居なかった頃で、この件がキッカケで今のモモとゆらを飼うことになりました。

2014年6月2日(月)8:40

いつものように会社に行くので家を出て可燃ごみを妻と一緒にゴミ捨て場に持っていきました。
するとゴミ集積場に面しているお宅の庭の物置の下から子猫の鳴き声が聞こえてきました。
平穏な状態の声ではなく、泣き叫んで多分親猫を呼んでいるような声でした。
 
そのお宅は挨拶する程度の仲なので、子猫が泣いていることを告げに訪問、確かに声がしているけどウチは知らないからと、関わりたくない様子でした。
放って会社に行くわけにもいかないので、庭に入れていただき物置とブロック塀の僅かな隙間を覗いてみると子猫が2匹いました。
 
一匹は私の所に自分からすぐ来たので保護しましたが、もう一匹は手の届かないずっと奥で隠れてしまっているので保護はできませんでした。
 
長居しても、お宅の方に悪いのでとりあえず一匹だけ自宅に保護することに。
明らかに痩せていてエサも暫く食べていないような状態、気力で泣いている感じでした。
 

2014年6月2日(月)9:20

目やにで片目が開いていない状態なのでとりあえずぬるま湯で体を洗いました。
ウチは当時14歳の猫のミーちゃんがいて2匹飼うつもりはないので体調を良くさせて里親を探そうと妻と話ました。
 
まだ片手の手のひらに乗るくらいの大きさで、生後2ヶ月も経っていないように見えました。
ミルクや離乳食から少しずつ切り替えていくような段階だけど、まだ歯は生えていない状態です。
 
この子猫が病気を持っている可能性が高いので、とりあえず現時点ではウチの猫に病気など移さないことを最優先に考えることにしました。子猫を触ったら消毒石鹸で手洗いしてアルコールで必ず手を擦って消毒をしました。
幸い家の猫と隔離できる部屋があるので、そこで段ボールにタオルを入れてエサを与えました。
 
ペット用ミルクは家にはないので、猫缶を細かくほぐして水でゆるくして与えてみました。
匂いに反応しているのだけど、皿のフチを噛んでいるだけでなかなか食べません。
本能的におっぱいを噛んでいる感じで、まだ自分で固形物は上手く食べられない様です。
 
それでもどうにか少しだけ食べることが出来、水は飲めました。
 

2014年6月2日(月)10:30

私は午前中は仕事が忙しくなかったので、遅れて会社に行くことにしました。
 
ホームセンターにペット用ミルクや離乳食を買いに行こうかと思いましたが、その途中に評判の良い動物病院があることを知っていたので、初めてそこに連れて行くことにしました。
 

2014年6月2日(月)11:00

動物病院での診察。猫風邪の初期症状がみられる程度で外傷などはない模様とのことでした。
どうやら生後4〜5週くらいらしく、本来なら栄養のあるものをたくさん与えてどんどん大きくなっていく時期だけど、野良猫なので非常に痩せていて成長が遅れているらしいです。
獣医の方が離乳食を用意してくれて、与えてみるとすごい勢いで食べ始める。
やはりまだ離乳食でないと食べにくいんだなと思いつつも、夢中で食べる姿をみて安心しました。
離乳食とペット用粉ミルクを動物病院で購入して、ホームセンターにも寄って子猫用の猫缶も買ってきました。
 

2014年6月2日(月)12:50

家に戻り、子猫は満腹なのか、ぐっすりと眠っています。
でもこの子猫、声を掛けると必ずミャ~と返事をしてくれます。
妻は今日は仕事が休みなので、後は任せて子猫に挨拶してから私は会社に行きました。
 

2014年6月2日(月)18:40

妻が用事で外出から戻ってくると、子猫は下痢してぐったりしているとメールが入りました。
 

2014年6月2日(月)19:00

昼の元気が嘘のようでぐったりしているとメールが届きます。
私も仕事のキリがついたので早々に家に向かいました。
 

2014年6月2日(月)20:03

もう微動だにしなくなっている。呼吸もあまりしていないと帰りの電車でメールが届きます。
子猫に声を掛けても、子猫も返事をしようと口を開くけど声が出なくなってきました。
 

2014年6月2日(月)20:18

自宅の駅の一つ手前の駅で、子猫が死んだメールが届きました。
妻の手の中で死んだとのことです。
 

2014年6月2日(月)20:40

私も帰宅しました。
妻は憔悴気味、子猫のいる隔離した部屋の段ボールを覗いてみると変わり果てた姿がありました。
 
声を出そうと開けた口は最後は開いたまま閉じる力もなく、昼間に洗ってやった後のフワフワした毛並みとは、対照的にげっそりと細く衰弱した姿になっていました。死と戦ったからか顔もこわばった苦しい顔をしていました。
 
保護して12時間で亡くなってしまいました。
オスかメスかはまだよく分からないけど、多分オスだということでした。
 
朝保護している時に近所の方がゴミを捨てに来ていましたが、みなさん見て見ぬフリでした。
私は放っておけず保護しましたが、私の行為が正しかったとも思えません。
もしそのままにしておけば、兄弟と仲良くまだ生きていたかもしれないです。
野生で力がなければ淘汰されていくのは当たり前なのだから、関わらないようにしていた近所の方たちの対応は正しいとも思います。
ただ私たちも殺すつもりで捕まえた訳ではありません。
 
この子猫は器量があまり良くなかったので、元気になったら里親が見つかるだろうかと日中は考えていました。
でもそんな心配は不要でした。
 
親猫は、子猫が弱ってくると育児は放棄してしまうことも多いです。
無駄なことに労力を使わないのは野生の世界だし理にかなっていると思います。
ただ親猫よりも私たちの方が、衛生的な環境や栄養価の高い食事は与えられます。
 
力及ばず、なんだか悔しい気持ちだけですね。
自分たちがしたことは余計なお世話だったのかな、、という気持ちもあります。
 
都合よく美化してしまうつもりもないですが、唯一子猫が今までの人生できっと初めて満腹になるまで食べて、幸せそうに眠りにつけたことは良かったと思います。動物病院で1缶500円近くもした離乳食はさぞかし旨かったことでしょう。
 

2014年6月3日(火)6:00

家の庭に穴を掘って埋めてやりました。
当初目立たない奥のほうに埋めようと思っていましたが、良く通る手前側に埋めることにしました。
昨日閉店前のスーパーで買ってきた184円の生花の花や、蓋を開けた分の離乳食とミルクも一緒に埋葬しました。
 
もう一匹の残された子猫は、その場所を通る度に耳をすませて鳴き声をチェックしていましたが、2日の夕方以降は何も聞こえなくなりました。もともと保護した方よりも弱っていた印象があるので、残念ながらすぐに亡くなってしまった可能性は高いです。
 

さいごに

随分前の話でしたが、当時Evernoteに記録していたのでブログにアップしました。
もしこの子猫が元気になっていれば、結局里親は見つけないで自分たちで飼っていただろうと思います。たった12時間だけの付き合いでしたが、それだけ愛情が湧いてきていました。
 
また、次の機会にでも書きますがこの件がキッカケとなってモモを飼うことになります。
 
最後まで読んでいただきありがとうございます。

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